Q.「どうしようもなく今を生きてる」という歌いだしで始まる、活動1周年を記念して制作されたkz(livetune)作曲のにじさんじオリジナル楽曲といえば何?
A.
はじめに
はじめまして、京大音ゲーサークル京音の代表をしております、「852」と書いて「やこうちゅう」と読む者です。実は京都大学バーチャルYouTuber同好会というサークルにも所属しており、普段はVtuberの配信を見ることでのみ生活しております。
そんな私が今回解説致しますのはmaimaiの「Virtual to LIVE」MASTER譜面です。Re:MASTER譜面が存在するためにあまりプレーする人がいない譜面ではありますが、この譜面がいかに考え抜かれた譜面であるかを皆様に知っていただくべく筆を執った次第です。では早速解説していきます。
基礎情報解説
曲名:Vitrual to LIVE
アーティスト:にじさんじ
難易度:MASTER 11
譜面制作者(NOTES DESIGNER):譜面-100号
この楽曲は日本のバーチャルライバー事務所「にじさんじ」の設立1周年を記念して制作されたオリジナル楽曲で、作詞作曲はVOCALOID楽曲「Packaged」「ファインダー(DSLR remix - re:edit)」などでも有名なkz(livetune)氏が手掛けました。
にじさんじファン的には激アツなこの楽曲、MASTER譜面の譜面制作を担当したのは毎度毎度トリッキーな配置でプレイヤーを惑わせる譜面-100号氏。オンゲキの「Shiny Smily Story」や「Virtual to LIVE」MASTER譜面も担当していることや、「チュウニペンギン・コンダクター」ストーリー内でものくろっく氏が「V推しの趣味が近い」と発言していることなどから、おそらく進んでMASTER譜面の制作を行ったのだろうと思われます。
(おそらく)にじさんじのオタクである譜面-100号氏が作るにじさんじエモ楽曲の譜面なのですから、それはもう超絶良い譜面であるに間違いありません。譜面-100号氏がこの譜面に込めた思いを読み解いていきましょう。
譜面解説
※この記事では、以下の動画に則って解説して参ります。動画とともにご覧ください。
歌い出し(0:16~)
なんか無駄に左右振りすごくない…?と思ったそこのあなた。いい着眼点です。そう、早くもメッセージが隠されています。
序盤にあるこの左右振りは、先の見通しが立たない上にスタッフが少なく不安定であった活動初期を表しています。その時代から知っているとはさすが譜面-100号氏ですね。
にじさんじスライド(0:29~)
タイトルを歌ったところで現れるのはにじさんじのロゴマークを象ったスライドです。初見時普通に感動しましたが想定外の速さにGREATを出しました。
ちなみにこのにじさんじスライド、90度回転させたものが他の譜面にも登場します。それがこちら
なぜか今と背景が違いますが、蒼空に舞え、墨染の桜[MASTER]です。実質にじさんじ
なおこの譜面も回転RTAなどなかなかエンタメ性に富んでいておすすめです。
前奏(0:33~)
この前奏から全体を通して、やたらとハネリズムの音取りをするようになります(3連符のハネではありませんがここでは便宜上タンタタッタをハネとしています)。これはにじさんじが「ハネ」る、つまりこれからも大きく成長していくことを表しています。
にじさんじの将来に期待するというメッセージを全体を通して受け取ることができる神譜面と言えます。
Aメロ①(0:45~)
AメロはEACH→TAPというパターンが繰り返されます。なかなかこの曲だけ遊びに来た他ゲープレイヤーには認識が厳しいこの地帯ですが、どこか見覚えはないでしょうか。
そう、39[MASTER]です。
完全に一致
そう、譜面‐100号はこのAメロを通して、いつも楽しいコンテンツを提供してくれるにじさんじへの感謝を表現していたのです。いつもありがとう!
Aメロ②(0:57~)
ここのパートは一気に歌詞再現が詰め込まれています。
「震えた声を」でジグザグスライド
「ひとつひとつ」で1つのTOUCHノーツ
「積み重ねてく」で1→2→3→4個のTOUCHノーツ
「手を握った」で両手が重なるようなSLIDE
そしてこの謎のSLIDE
このとがった形…そう、これはVirtual to LIVEの歌唱にも参加しているライバー「剣持刀也」の再現スライドです。彼は顎がとがっているとネタにされることが多く、このスライドでも45°とかなり尖ったものになっています。
なおこれ以降歌詞再現は一切登場しません。譜面-100号氏でも飽きることくらいあります。
Bメロ
言うことありません。
サビ(1:21~)
前奏と同様にとにかくハネリズムが多い部分です。サビでもにじさんじ愛が伝わってきます。
それに加えて注目したいのが「幸福だと言えるように」の部分。
この配置はSLIDEをなぞるとTAPを巻き込んでしまいやすい配置であり、一般的に悪い配置だとされています。何年も譜面制作を行ってきた譜面-100号氏がこれを知らないわけがありませんから、ここにもなにかメッセージが込められていると考えるのが自然でしょう。巻き込み配置…
そう、これはにじさんじが周りを巻き込んで大きくなっていくことを表した配置なのです。実際「瀬戸美夜子」に代表されるように、にじさんじ所属のライバーには箱外とのコラボを盛んに行っているライバーがたくさんいます。そういった周りの人たちも巻き込むということをこの配置から伝えたかったのでしょう。
私もここを巻き込んで理論値を逃したとき、この配置の真の意図に気付いてはっとしました。流石ロミオとシンデレラ[MASTER]を作るほどの人材はやることが違いますね。
アウトロ前半
はいはいハネリズムハネリズム
アウトロ後半(1:58~)
ここからリズムが急に変わって、譜面もEACHしかなくなります。普通の譜面にはEACHとTAPがバランス良く配置されていますので、これもなにかしらのメッセージであると考えられます。
このEACHは月を表しています。このアウトロ後半部分はにじさんじ所属ライバー「月ノ美兎」のオリジナル楽曲「Moon!!」からの引用であり、そのために月に色形の近いEACHのみで譜面が構成されています。
ラスト
なんで同時に消えへんねん
おわりに
いかがでしたでしょうか。譜面ー100号氏によるにじさんじへの思いがたくさん詰まったこのVirtual to LIVE[MASTER]、たまにはRe:MASTERの代わりに遊んでみてはいかがでしょうか。ちなみにRe:MASTERは上下ミラー当たりです。