概要
3Dプリンターは光造形方式が簡単に綺麗な印刷ができるのでホビーユースには特にお勧めです
はじめに
こんにちは、新しくイヤホンを買った数日後に値下げセールが行われて差額返せと憤慨しているWatsonです。
6月末に発売されたArduino UNO R4 Minimaはさっそく購入しました。普段利用してる部品屋が在庫切れ(ブログ公開時点では回復済み)だったので公式通販を利用しました。 追って発売されたWi-Fi対応版も技適対応され次第買うつもりです。むしろその機能盛りだくさんなWi-Fi対応版が本命です。
さてタイトルにもある通り5月末に3Dプリンターを買いましたが、3Dプリンターを買う動機となったのは、自分専用にカスタマイズしたマイコンのケースを作りたいという欲求でした。 また、Thingiverseという3Dデータ配布サイトをサーフィンするうちに、そこから落とせる豊富な3Dデータを印刷して鑑賞したいという欲求も同時に上っていました。
そこで3Dプリンターについて調べたところ、 光造形方式がこうした用途に適しており、特に液晶ディスプレイを使ったものは安いもので4万円を切るほど安価で済むと知りました。 なので、後処理や保管管理の手間はかかるもののこの方式を選ぶのが良いだろうという結論に至りました。
さて、筆者は数年前にも3Dプリンターを購入しました。それは光造形方式とは異なる方式の機種でした。 しかし、この機種は印刷前の水平調整に手間がかかり、また動作中のモーターの騒音が激しかったので、印刷を行うまでの心理的ハードルが非常に高く付くものでした。 その結果、ろくに何も印刷することなく自宅スペースを無駄に占拠させ数年経ってついに廃棄に至りました。
しかし、この光造形方式の3Dプリンターならば、
- 調整の手間が少なく、
- 動作音も静か
で印刷をするまでのハードルが低いので長続きできそうだと思い、リベンジ(何に?)の意味も込めてこの方式の3Dプリンターを買うことにしました。
光造形方式の詳しい原理や取り扱いなどについてはここでは省きます。こんな素人のブログより信頼できるWebサイトなどの媒体で調べてください。
製品紹介
届きました。
このELEGOO MARS 3 Proという製品が扱いやすそうでかつ印刷サイズ・解像度のコスパが良好だったのでマークしていましたが、 Amazonで割引クーポンが配られていたためそれを衝動買い[^後日気付いたのですがこれは罠で、クーポンはずっと配ってるし定期的に値下げセールもやってるので値下げした時期に買う方がお得でした。]しました1。
洗浄硬化機
さて、光造形方式の印刷は、
- 洗浄 -- 印刷物に付着している余計な未硬化レジンを有機溶媒などで取り除く
- 二次硬化 -- 印刷物に再度紫外線を当ててレジンを完全に硬化させる
という後処理工程を要します。
それぞれ手作業や太陽への露光で済ませるのも可能ですが、それは作業自体や作業のコントロールが面倒なので専用の機械で自動化させます。
プリンターと洗浄機にさらに硬化機まで置くスペースが自宅にないので、洗浄硬化兼用機を合わせて導入しました。
レジン
レジンについてはふつうは無水エタノールやIPAなどの有機溶媒で洗浄するのですが、 光造形についての経験が無く有機溶媒の取り扱いに自信が無かったため水洗いレジンを選択しました。
また、以前は材料が色付きで部屋の雰囲気と合わせにくかったためにインテリア用品を印刷できずにいたので、その反省を生かして無彩色・白色のレジンを選択しました。
その他
光造形印刷を行うにあたりプリンター本体の他に必要な物は、薬品を扱う都合上熱溶解積層方式に比べ多いです。 ある程度(ヘラ、スクレーパーなど)は3Dプリンターにセットで付いてきますが、それ以外にも消耗品や道具が必要になるので100均やホームセンター、通販サイトで揃えましょう。
特にニトリル手袋はセットにも付いてきますが、印刷の度に複数双消費してすぐに足りなくなるので余分に買っておくべきです。
使ってみた
付属のUSBメモリにはデフォルトで印刷用の3Dデータ(正確には「Gコード」と呼ばれる制御ファイル)が入っており、それを直接3Dプリンターに出力させることができます。なので早速それを試しました。
印刷開始
印刷完了
洗浄
乾燥
洗浄の仕上がりが気になるときはここからアルコールで拭きましょう
二次硬化
あまり時間をかけると印刷物が黄ばんでしまうので注意しましょう
完成
さらに印刷
さてテストデータの印刷はうまくいきました。 このまま二度と使わずプリンターを箪笥の肥やしにさせる事態にはしたくないので、 もっと色々印刷していきたいところです。ですがデータを自分で作るのはとても手間がかかります。
なので、Thingiverseという配布サイトから色々な3Dデータをダウンロードしては印刷していきました。
(キューブの印刷中に脱落したのでゴミを固めて回収したNGテイクの写真)
Arduinoケース 印刷時に底面だった面を上にしているので仕上がりがザラザラになっています。
終わりに
やはりレジンを本体のレジンバットに数日程度は放置できるのが有難いですね。そのおかげでレジンを補充する手間が省けて印刷を始めるまでのハードルが下がるのと、数日間で次の印刷を始めないと別の管理の手間[^タンク内のレジンをかき混ぜる/使わないレジンをボトルに戻すなど。]が発生するのが印刷の期間を開けない後押しになるのとで、3Dプリンターの使用するモチベの継続につながっていると思います。
そして何より、積層痕がパット見で分からないので部屋に置いても違和感が出にくいのが良いですね。そのおかげで、観賞用の品物を印刷物の選択肢に入れることができます。
展望
現状、水洗いだけでは細かいところの未硬化レジンを落としきれないので、有機溶媒の導入さらには有機溶媒用の通常のレジンへの切り替えを検討しています。幸い、有機溶媒に変性アルコールを使えば一般アルコール(IPAなど)の高い危険性および煩雑な手間や特定アルコール(無水エタノールなど)の酒税相当コストを回避できるのでレジン導入の足がかりにできます。
また、現状ではインターネットから落とした3Dデータを印刷していますが、将来的には当初の目的どおり3DデータをCADなどで自作するいわゆるDIYをするのも良いなと思っています。
皆さんは、大きな買い物は冷静さを保ちタイミングを伺いながら行いましょう。特に新商品やセールの傾向の情報はよく追いましょう。
- 買った次の月に買ったときのとほぼ同じ価格でもっと性能の良い新モデルMARS 4 MaxがAmazonに入荷しました。悔しいね↩