0.目次
1. はじめに
昨今の音楽ゲームにおける発展はめざましい。BEMANI1強だった時代に比べれば、各社のアーケード音ゲーへの参入、ゲキチュウマイの台頭、スマホ音ゲーの隆盛を経た今、世はまさに群雄割拠の音ゲー戦国時代である。現代の音楽ゲームで、追加される楽曲の傾向は複雑な様相を呈している。
これは一つの言葉で説明できるものではないが、何らかの基準を設定し数値化する方法が望まれていた。*1
そこで本記事では、古今東西の音楽ゲーム収録楽曲を集め、数値化した後、図表へのプロットを行う。音楽ゲームの「見える化」によって、全体的な傾向を定性的に捉えることが狙いである。
2. 調査対象と数値化・図表化の方法
ここでは、調査する楽曲群と、その図示の方法を紹介する。
情報サイトの楽曲一覧を流し見し、曲を集めて単位ごとに分類した。具体的には、有志によって運営されているいくつかの非公式Wikiにまとめられている楽曲の一覧表を見ながら、数字が含まれる楽曲をメモした。この際、単位を持つ楽曲に関しては、SI基本単位を参考にしつつ、同じ単位を持つものに振り分ける。
その後、持つ数字の特性を考慮した後、適切な楽曲群に分類し、Excelを用いて図を描いた。この際、楽曲同士の差があまりに激しいものについては、対数目盛でのプロットを行った。比較する際は縦軸に注意が必要である。
3. リザルト
結果は以下の通り。
(1)体操の比較
maimaiで遊べるデコボコ体操は「第二」である。
(2)演奏時間を題名に含む楽曲の比較
これらを遊べるどの音楽ゲームでも、基本は1クレジット3曲設定である。このことを考慮すると、1秒あたりの単価が計算できる。
(3)熱運動の比較
SI基本単位に用いられる単位はケルビンであるが、ここでは分かりやすさのためにセルシウス度でのプロットを行った。
(4)楽曲の成分について
無駄に3Dにしたところで、このグラフでは特に目の錯覚は起きない。
(5)大物Youtuberの比較
棒グラフでは棒が現れないため、折れ線グラフ*2にてプロットを行った。このグラフは、値の推移を表すものではない。
このグラフから気持ちが読み取れない場合は、両耳からゼロを連呼されることを意識してみるべし。
(6)音楽ゲーム年表
西暦に見えなくもない数字を集めて年表にした。必ずしも西暦を表す数字が使われているということではないので注意。
また、音楽ゲームの歴史をまとめたものでもない。「音楽ゲームの曲名」世界でのイベントが、この表にはまとめられている。
初学者は、知らない楽曲を試聴することを薦める。
(7)大きな値の比較
不可説不可説転は高々有限の値であることに注意。
『六兆年と一夜物語』は時間の単位を持つが、ここでは6兆として扱った。この楽曲の時間単位での評価も興味深いテーマである。
(8)とても大きな数の比較
ここでは、無限を表す表記を集めた。近年の音楽ゲームのインフレが見て取れる。
全て無限を表すものだが、濃度に関して言及している楽曲は『Aleph-0』のみであることに注意が必要である。
4. 結論
楽曲に特別な意味を持たせるためか、極端な値を持つ楽曲が多く見られた。
今回は図にしなかったが、長さの単位を持つ『532nm』『10000 MILES AWAY』『刃渡り2億センチ』などの比較も面白いのではないだろうか。ただ、これらを比較する際には、マイルという、ヤードポンド法の単位が含まれていることに注意が必要である。ヤードポンド法がいかにクソであるかを思い知れるだろう。
SDVX収録楽曲『極彩天奏』の極(=10^48)など、明らかに数字ではないものの捉えようによっては数字として扱える楽曲も多い。こういった数字の扱いは裁定が難しいため、今回の調査の対象外となった。このような楽曲の調査方法が望まれる。
また、今回の調査対象は曲名だけに留まっており、作曲者名義・ジャケット制作者名義などの調査は行っていない。96、709sec.、那由他など、調べてみる価値のある名義がいくつか見つかったため、今後の課題としたい。
今後、音楽ゲームの楽曲名をつけるのに迷った際、他の曲と被らないテーマにしたいのであれば、SI単位系の中であまり楽曲には使われていない物質量(mol)や電流(A)に目を向けることで、新規性が見出せるのではないだろうか。*3
5. 参考文献
・BEMANIWiki 2nd
・maimai 攻略wiki
・CHUNITHM【チュウニズム】攻略wiki
https://wikiwiki.jp/chunithmwiki/
・オンゲキ【音撃‐O.N.G.E.K.I-】 攻略 Wiki
https://wikiwiki.jp/gameongeki/