まじかる⭐︎キングダムを愛してやまない、うえっふぃーがお送りします
皆様、ご機嫌麗しゅう。京音ボードゲーム部*1のうえっふぃーです。前にDOMINA GAMESさんのボドゲをまとめて紹介する記事を書かせて頂きました。
keionkakimasen.hatenadiary.com
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今回はそのノリでMAGIさんのまじかるベーカリーシリーズについて書こうと思ったのですが、まじかるキングダムの分量だけ凄いことになりそうだったので、思い切ってこれに焦点を絞って徹底的に書くことにしました。
せっかく絞るなら紹介だけじゃなくて攻略もというわけで、本記事はゲーム「まじかる⭐︎キングダム」の攻略記事であり、この記事を読めば誰でもこのゲームで強くなれる事を目標にしています。
本編に入る前に、いくつか注意事項
1 記事、結構長いです。
2 まじかるキングダムに関してはそこそこやり込んだ自信はありますが、あくまでも個人の考えである事ご了承下さい。
3 まじかるキングダムには拡張が存在しますが、この記事内では本体のみでのゲームを前提にしています。(基本的な考え方は拡張込みでも同じですが)拡張については別で記事を書く予定ですのでお楽しみに。
4 一部の項目は会津様に書いていただきました。感謝
1.まじかるキングダムとはなんですの
言っちゃおしまいだけどまあ公式ページが一番分かりやすいわな
1.1 ざっくり紹介
まじかるキングダムはMAGIによる「まじかる」シリーズの第五作目にあたる作品で、シリーズで一番面白い*2作品です。
プレイ人数は1〜4人、所要時間は人数にもよりますがおおよそ45〜90分くらいです。
ジャンルとしては「拡大再生産」で、簡単に言うと手持ちのパワーで施設を作り、その施設から更なるパワーを得て規模を大きくしてくような感じです。
ただ、まじかるキングダムではそこにサイコロによる運要素が大きく関わってくるのが特徴といえます。
1.2 ゲームルール
こっちもざっくり。詳細な説明書は公式ページからDLできます。
ゲームはターン制で、各プレイヤーは自分の番が来るたびにサイコロを3つ振り、出た目と手持ちのパワーを使って様々な効果を持った「マーケットカード」を設置していきます。
また、設置したいカードをオープンマーケットなどから集めます。
カードには勝利点(VP)が付いているものもあり、最終的にこのVPを20集めた人から一周して終了、終了時にいちばん多くVPを持っていた人が勝ちです。
パワーは3種あり(お金、権力、魔力)、同種2つで別のパワー1つに変換できます。また、サイコロを出目に応じたパワーに変換することも可能です。
2.キャラクター解説
プレイヤーはゲームの最初に自らの分身となるキャラクターを選びます。各キャラは固有の能力を持っており、この能力をどう活かすかがゲームの鍵となります。
2.1 コロネリア
我らがコロネリア女王陛下。サイコロを4つ振る(他のキャラは3つ)と言う唯一無二の能力を持ちます。またターン開始時に好きなパワーひとつを獲得できます。
良くも悪くも非常に安定したキャラであり、一つ多いサイコロを活かして序盤から終盤まで手堅くゲームを進めることが可能です。サイコロが多い事によりこのゲームあるあるの「パワーは揃っているがサイコロの出目が悪くカードが設置できない」という事故をある程度防ぐことができます。
サイコロはパワーに変えられるので、少し足りないパワーをサイコロで賄うことも可能です。
ただ爆発力には欠けるので、運良く力を発揮できた他のキャラにパワーで押し負けることもしばしば。
2.2 ソフィー
守銭奴。毎ターンマーケットカードを2枚引ける能力と、手札のマーケットカードを好きなパワー1つと交換できる能力を持ちます。カードを多く引けることから選択肢を増やすことができ、余ったカードはパワーと交換できるという隙のない性能です。重なったマーケットカードをサイコロで取ればあら不思議、サイコロ1つを複数のパワーに変換する錬金術が出来ちゃいます。
他キャラが持て余しがちな教会と非常に相性が良いのもポイント。
2.3 アン
オヤカタ。サイコロパンに特化した能力を持ち、ゲーム開始時に3枚、ターン開始時に2枚ずつサイコロパンカードを引くことができます。(つまり、第1ターンはサイコロパン5枚スタート)
そもそもこのゲームにおいてサイコロパンが強力なカードであるためこのキャラクターも相応に強いのですが、このキャラクターの最大の魅力はレジェンドカードに好相性のカードが多い事で、ゲームによっては他キャラの体勢が整わないうちにさっさとゲームを畳むことも可能な力を秘めています。
2.4 マリー
無限サイコロ踏み倒しお嬢様。カードの設置の際に条件となるサイコロを1つ選んで不要にすることができます。この能力、なんとターン中の発動回数に制限がなく、さらにはレジェンドカードにまで適用できるというなんともインチキっぷり。
サイコロが1つ不要になるだけで、
・元々サイコロ1つ必要なカードはサイコロが不要になるため、手札とパワーが許す限り乱立させられる
・サイコロが2つ指定されるような強力なカードの設置難易度が大きく下がる
といったことが起こります
手札とパワーを溜め込んで最後に大宇宙ムーブもかませるようなロマンキャラです。
2.5 ショコラ
スピンオフから参戦。ターン開始時にパワーを2つ獲得する能力と、ターン中に何度でも別種のパワー同士を1:1のレートで変換できる(通常は2:1)能力を持ちます。
実質パワーの種類の区別が無くなるキャラであり、使ってみるときっとその快適さに驚くことでしょう。
自前で毎ターンパワーを2つも調達できるのもかなり嬉しい効果です。
2.6 フラン
バイトリーダー。効果テキストが長くて難しいですが、要約すると「(1ターンに1度まで)同じカード2枚を1枚分のコストで設置できる」というものです。上手く使えれば非常に強力な効果ですが、そもそも同じカードはゲームに4枚ずつしかないのでうまくそろえるのは少々コツが要ります。
マーケットで複数枚重なっているカードを狙ったり、教会で引いてきたカードと同じカードを取るように立ちまわるなどがいいでしょう。
弱点として自前でパワーを得る能力を持たないので、何から建てるかはよく考えなければなりません。
2.7 クロワ
バイトその1。ゲーム内で1度だけ、自分のターンをスキップする代わりにマーケットに出ているカード1枚をノーコストで直接設置することができるという能力。基本的に序盤ではコストがきつく設置できないような強力なカードを引っ張ってくることでゲームを有利に進めようというものです。
拡大再生産の性質上、強いカードを設置するのは早ければ早いほどいいので基本的には第1ターンに能力を使うことになるのですが、この時にマーケットに何があるかによって強さが大きく変わります。また、手番が後ろの方だと強力なカードを取られてしまうということも起こるので手番順にも左右されます。
総じて当たり外れの大きなキャラと言えるでしょう。
2.8 ロール
バイトその2。ゲーム開始時にパワーを追加で得た状態でスタートできるキャラ。ただ、このパワーだけで逃げ切る事は厳しいので、序盤の展開にうまく利用してその後のゲームを有利に進めるというのが基本的な動きになるでしょう。クロワと違い、安めのカードを複数並べるという戦略も取ることができます。
2.9 それで、誰が強いの?
ざっくり上から強い順に並べると
Tier 1 アン、ソフィー
Tier 2 ショコラ、マリー
Tier 3 コロネリア、フラン、クロワ、ロール
といった感じでしょうか。
アン、ソフィーは安定して強いです。ショコラも一番上に入れるか悩むくらいには強いですが、Tier2が消失しそうなのでこの位置。マリーはムラがあるためここに入れていますが、うまくハマった時の爆発力はトップだと思っています。
Tier3の4人は上と比べると少し見劣りするかなという感じです。ただまあ、マーケットの具合や相手が誰を使ってるかによって変わってきますし、そもそもこのゲームはかなり運の要素が強いのでどのキャラでも勝つときは勝つし負けるときは負けます。
3.スタンダードカード解説
全部で10種類(各種4枚ずつ)あり、各ゲームで必ず使用されるカード群です。比較的安めのコストと基本的な効果を持ちます。また、ゲーム開始時はこれらのカードの中から最初の手札が決まります。
3.1 パン屋・酒場・ケーキ屋
設置すると次のターンから対応したパワーを一つずつ生産する、まさに拡大再生産のお手本カード。効果は地味ですが、コストの安さと設置の容易さからお世話になることは多いはず。後述するアドバンスカードやレジェンドカードにシナジーのあるカードがあるのも特徴です。
3.2 オーブン
設置すると次のターンからサイコロパンを1枚引けるようになります。後述のようにサイコロパンは多くの試合でキーとなるカードであり、このオーブンは確実にサイコロパンを引ける唯一のカード(他のサイコロパンを引くカードはアドバンスカードで試合によっては登場しない)であるため、取り合いになることもしばしばです。
3.3 倉庫
設置したターン以降、手札の上限が2枚増えます。デフォルトでの手札上限は6枚ですが、サイコロパンを多く引き始めたりすると足りなくなることもあるので1枚はあると嬉しいカードです。
手札上限には困っていなくても、非常に安価な1VPカードとして得点レースの際に用いられることも。
3.4 教会
設置すると次のターンからマーケットカードを1枚山札から引くことができます。引けるカードがランダムな上、マーケットカード自体はパワーにはならないため他のスタンダードカードに比べて拡大力には欠けます。(ソフィーのみ例外で、マーケットカードを好きなパワーにできるため非常に相性が良いです)
ただし、VPはスタンダード内で唯一2VPであり、コストも比較的安めであるため得点効率の観点から見れば優秀なカードです。
3.5 魔導書(ミキサー・リーン・リッチ・フィンガーテスト)
振ったサイコロの出目をいじることができるカード群です。設置にサイコロは不要ですが、代わりにこのカード群にはVPが付いていません。
マーケットからの獲得にはダイスを消費することやサイコロパンの存在、得点がついていないなどという理由から使われる機会はあまりありません。
出目を指定できるリーン、リッチは特定のレジェンドカードを狙う際に使われる事もありますが、大体はサイコロパンでなんとかするほうが強いです。
3.6 初手で何をとるべきか?
ゲーム開始時にはスタンダードカードの山からランダムに配られる5枚から、ドラフト形式で3枚初期手札を決定します。キャラクターやアドバンスカード・レジェンドカードのラインナップによって多少優先順位は上下しますが、大まかな目安として私が思う優先順位を上げておくので参考にしてください。
優先度高
- オーブン
- パン屋、酒場、ケーキ屋
- 教会
- 倉庫
- 魔導書各種
優先度低
やはり最序盤は拡大するカードが欲しいのと、オーブンは取り合いになりやすいのでこの順位、逆に直接拡大には貢献しない倉庫や魔導書は優先度が低めになっています。
もちろん、ゲームによってはソフィーに教会を握らせないためにあえて教会を選んだり、アドバンス、レジェンドでのお金の要求値が権力、魔力より多いためにパン屋を酒場やケーキ屋よりも優先したりするという事が考えられます。
回ってきたのが全部魔導書ならあきらめましょう。
3.EX サイコロパンについて
サイコロパンは特定のカードの効果により手札に加わり、カードに描いてあるサイコロの出目の代わりとして使用できるカードです。唯一マーケットからのカード獲得はできません*3が、その他サイコロができることは全て代わりにサイコロパンで行えます。
サイコロと異なり出目を魔導書で変更することはできませんが、純粋に追加のサイコロとしてカード設置に使ったり、レジェンドを見据えて特定の目を集めて保管しておいたり、ここぞの場面でパワーに変換するなど非常に小回りの効くカードです。
レジェンドカードの中にはサイコロパン使用を前提とするカードも多く、ゲームに勝利するのに不可欠とまではいかなくとも重要な存在となっています。
4.アドバンスカード解説
全部で20種類あり、このうちの10種類がゲームに登場します。スタンダードカードよりも強力なカードであったり、ユニークな効果を持つものが揃っています。多くの場合、ゲーム中盤にはこれらの設置を目指すことになるでしょう。
4.1 高級パン屋・豪華な酒場・名匠のケーキ屋
スタンダードカードにあるパン屋、酒場、ケーキ屋の豪華版です。建設に必要なコストが約2倍になった代わりに、ターン開始時に得られるパワーは3倍になっています。(VPは2倍)
無難に強いですが、マーケットの様子によっては後回しになる時も。
この3種のカードと下の魔法のオーブンだけの特徴として、「アップグレード設置」というものがあり、これは対応する下位の設備を捨て札に送ることで設置に必要なダイスを不要にできるというものです。2つ指定されているダイスを無視できるのは魅力ですが、下位のカードは無くなるので実質少しカードのバリューが落ちることには注意しなければいけません。
4.2 魔法のオーブン
サイコロパンカードの役割は設置の安定性向上+マーケット確保に使いたいサイコロ現物の節約+レジェンド設置であり、この点を考慮すれば中盤に設置するべきカード(パワー再生産の整わない序盤に設置しても効果が薄い)。
とはいえ手札と出目に応じて動くゲームなので、これの設置しかすることがなければ普通に設置した方が良い。また出目の要求値を下げないキャラ(コロネリア・アン・マリー以外のキャラ)が「オーブン」をキープ出来ていないような状態でたまたま序盤に「魔法のオーブン」を設置できるような状態があれば、多少無理をしても「魔法のオーブン」を設置した方が良い可能性はあるだろう。
一方中終盤においてはレジェンドを狙うために極めて重要なカード。特にⅠのレジェンドは5枚中4枚がダイス目を多く要求するカードであり、サイコロパンカードのドロー枚数が多ければ大きくこれらの設置に近づく(もっとも、「ベーグルの塔」はかなり速攻寄りのレジェンドなので中終盤まで残っていることの方が少ないが)。また捲りやすいレジェンドⅠの下に「黄昏の麦隴」や「無限鏡の大迷宮」がある場合も価値が上がるだろう。逆にアドバンスに「王立パン協会」がある場合は無論弱体化するカードで、特に早期設置には大きなリスクがつく。マーケットの状態や他人のキープなどを見て「王立パン協会」が早期に登場・キープされるようならば設置しないのが無難だろう。
UG設置は基本的に弱く、権力・魔力が余っていない限りはしない方が良い(特に序盤)。高級パン屋系列のUG設置にある程度意味があるのは設置に必要なパワーをUG前のマーケットが供給できるからであり、サイコロパンカードを獲得するオーブンとダイス目を不要とするUG設置は基本的にシナジーが薄い。ただし中~終盤においてダイス目が大量に必要そうな場合は、ダイス目無し権力2魔力2で設置できるオーブンとしてのUG設置も視野か。
総じて、癖はあるものの基本的には意識して設置を狙うべきカード。ことパワー確保に長けるキャラは、これ1枚の設置で大きく勝利に近づくだろう。
(会津)
4.3 闇市
魔導書と倉庫以外のスタンダードカードの効果を一つにまとめて選べるようにしたようなカード。
とは言っても多くの場合はサイコロパンを引くことになりますが、それでも状況に応じて使い分けできる分オーブンより優秀です。
注目すべきは教会に匹敵する得点効率です。1ダイス4パワー2VP、おまけにサイコロパンを供給できる貴重なカードということで、見かけたらぜひ確保したい強力なカードとなっています。
4.4 盗賊ギルド
自分のターン開始時に他プレイヤーのパワー数を参照し、一定以上のパワーを持っているプレイヤー1人につき指定数のパワーを自分が得るという効果。盗賊とはありますが、他プレイヤーのパワーを減らす効果ではありません。序盤ではほとんどの場合パワーは枯渇しがちなので、中盤〜終盤で真価を発揮するカードです。
4.5 みかじめ騎士団
他プレイヤーがマーケットを設置する度にパワーを得られるカードです。ゲームの性質上マーケットカードは必ず設置される物なので、その高いコストに見合った働きをしてくれます。もし序盤に建てることができればパワーのやりくりはかなり楽になることでしょう。
4.6 徴税の路地裏
他プレイヤーがマーケットカードを獲得するたびにパワーを得られるカードです。マーケットカードの獲得とは、オープンマーケットからダイスと引き換えに手札にカードを入れる行為だけでなく、ソフィーや教会の効果で山札から引く時、パネテリア遊園地の効果で獲得する時も全て含むので、発動する機会は結構あります。
基本セットのアドバンスカードの中では唯一で最大の3VPを持ちますが、その強力な効果とVPに相応のコストを要求されるのが難しいところです。黒猫の賭場やクロワの効果で是非獲得したいカードです。(もっとも、前者は完全に運ですが)
4.7 王立パン協会
他プレイヤーがサイコロパンカードを1枚獲得するたびにパワーを得られるようになるカード。何度も言うようにこのゲームにおいてサイコロパンは大体の場合で出回ることになるので、そこそこの量のパワーを得ることが可能です。アンに対する明確な対抗カードにもなります。
得点効率も悪くなく、誰かがサイコロパンを引き始めたりアンがいるような場では積極的に設置を目指しましょう。逆にアンを使っている場合は少しバリューが落ちますが、他プレイヤーに握らせないためにあえて取るというのも選択に入ります。
後述の大地の収穫祭を使ってサイコロパンを押しつけつつ自分の王立パン協会を起動するといったコンボも存在します(ただし他にパン協会を建てている人がいる場合は注意)。
4.8 二ツ星のブレスレット・五ツ星のネックレス
立てたら負け。コストに対して得られるパワーの期待値が1.5~2と低すぎる上、「王立パン協会」「徴税の路地裏」のようなゲーム終盤にかけて強くなる要素も無い。
五ツ星に関しては「値切りの指輪」と見比べて弱いと思わなかったのか疑問である
(会津)
4.9 武器商人
設置した瞬間に大量のパワーを獲得するというカード。設置にパワーを使うため実質得られるパワーは1金1権力3魔力です。ただ、そこまで高くない設置コストでパワーをプラスにできる他、おまけで1vpも付いてくるため、他プレイヤーにもパワーを配ってしまうというデメリットはあるものの総じて強力なカードです。
遊園地と違いターン1制限もないので連打ができますが、ダイス不足とパワーの配り過ぎには注意。
4.10 大地の収穫祭
設置するとサイコロパンを3枚引けるというカード。他プレイヤーにもサイコロパンが配られるため、自分のパン協会を無理矢理起動するという芸当もできます。サイコロパンはレジェンドカード獲得に重要な役割を果たすため、レジェンドを見据えて欲しい出目を探しに行ったりサイコロパンを集めたい時に使われる印象です。
4.11 パネテリア遊園地
設置するとオープンマーケットの入れ替えを行い、新たなマーケットから全員がカードを獲得するというカードです。欲しいカードを狙いに行きやすい効果もさることながら、圧倒的に安い1vpというのも特徴です。(なんとマリーならタダ)
ターンに1枚という制限がついているので連打ができないことには注意しましょう。
4.12 黒猫の賭場
カード名通りのギャンブルカード。設置した際にマーケット山札を1枚引き、そのカードをコスト無視で直接設置します。上手く強力なカードを引くことができれば嬉しいですが、そもそもハズレカードもそれなりの枚数入っている上にこのカード自体のコストがそこそこ高いと言うこともあり、本体環境ではほぼネタでしか使われないカードになっています。
せめてもう少し安いコストなら選択肢に入ったのかもしれませんが、そうなると今度は強くなりすぎる可能性があるのがなんとも悩ましいです。
4.13 値切りの指輪
パワーを生産するのではなく、カードのコストの方を軽減するカードです。サイコロの指定が厳しいですが、軽減できるパワーは自由に選べるだけでなくレジェンドカードにも適用できるということからコストに見合った強力なカードと言えます。
効果はターン中1回で、パワー獲得と違って次ターン以降に持ち越せないので建てたらなるべく毎ターン使いたいところです。
4.14 麗しき女王像
特殊勝利点カード筆頭。パワーを得るなどの効果がないため基本的にはゲーム終盤に設置することになるでしょう。
このカードの得点が、自分の場に設置してあるカードの権力コスト合計4つにつき1VPというもので、このカード自体に6個ついてるので単体で1VPは確定しています。
オーブンやみかじめ騎士団、フランスパンの英雄像、幻虹竜のたまごなどと組み合わせると爆発的に点数が伸びるカードで、1枚6VPが2枚で12VPみたいな事態がしばしば発生します。
このカードがある場では、最後の追い上げを警戒すべきでしょう。
4.15 脱法パン屋
特殊勝利点カードその2。自分が設置したパン屋の枚数に応じた勝利点が付きます。パン屋が1枚でも有ればそれなりの点数にはなりますが、やはり2枚、3枚とパン屋がある場合の得点力はかなりのものになります。*4
コストは金10とかなり重いですが、ダイスが必要無いためパワーだけ有り余っている試合では複数枚並ぶことも。
フランで踏み倒し甲斐のあるカードでもあります。
4.16 闇金庫
設置後、毎ターンお金をこのカード上に置くことで得点に変換できるというカード。
設置した次のターンに3個置くだけと、設置コストと合わせて2ダイス8金3vpでコスパの悪い脱法パン屋のようなスペックになるため、有効に使うには2ターン以上起動して点数を高めたいところです。
ただ、得点カードである都合上拡大再生産には寄与しないので早めに建てても後続の足を引いてしまう癖に、終了ギリギリに建てても大した点数にはならないというなんとも難しいカードであり、試合に登場しても使われる場面はあまり多くありません。
4.17 パンの妖精 コッペン
同名カードを集めるほど強くなる得点カードです。1枚で1vp、2枚で合わせて4vp、3枚だと合わせて9vp、4枚全て建てられれば合計16vpとなります。活かすには最低でも2枚、できれば3枚建てたいところですが、1枚1枚のコストが決して安くない上に集め始めると警戒されて妨害を受ける(オープンマーケットに出たカードを取られたり流されたり)ことが多いので、うまく点数を出すのは思ったより難しい印象です。
5.レジェンドカード解説
ゲームを大きく動かす高コスト高得点カードで、ゲームの中で目指すべきカード群です。
ⅠとⅡの2種類が存在し、それぞれから3枚ずつがゲームに登場します。
ⅡのカードはⅠのカードと1対1で結びつけられ、対応するⅠのカードが誰かに設置されるまではⅡのカードは設置できないというルールがあります。
また、レジェンドカードは1ターンに1枚しか設置することができません。
5.1 コッペパン神殿・フランスパンの英雄像・黒き魔女の館
特定の出目のダイス3つとパワー8個で建てられる、レジェンドⅠに属する3枚です。3の出目だけ対応する魔導書が無いためか、フランスパンの英雄像のみ他より1VP高くなっています。
よくある取得パターンとしてはパワーを揃えた上でサイコロパンで2つ、そのターン振ったダイスで1つダイス条件を負担するというもの。コッペパン神殿や黒き魔女の館に関してはリーン、リッチを使ってダイスをいくつか確定させる事も時々あります。
5.2 ベーグルの塔
ダイス、又はサイコロパンで1から6までの出目を1つずつ出すことで獲得できるカードで、レジェンドⅠに属します。特定の出目を保管しておけるサイコロパンとは相性が良く、たいていサイコロパンを一番引いている人がこのレジェンドを建てます。点数も大きいので特に序盤から意識すべきレジェンドになるでしょう。
ちなみに、アンは最初のターンはサイコロパン5枚+サイコロ3つでスタートするため、運が良ければ第一ターンに建てることができます。(但し建てるべきかどうかは状況によります)
5.3 幻虹竜のたまご
各パワー8個ずつ、計24パワーで設置できるレジェンドカードで、レジェンドⅠに属します。
ダイスの出目に左右されないレジェンドカードであるため、パワーさえ用意できればそれ以上の運が絡まないというものになっています。
この量のパワーをパン屋などの基本的なカードだけで賄うのは厳しいため、みかじめ騎士団や徴税の路地裏、武器商人などをうまく使って取得したいカードです。
5.4 エッグベネディクトモール
決められたスタンダードカード4種と引き換えに設置できるレジェンドカードで、レジェンドⅡに属します。
13VPとありますが設置時に5VP分のカードが失われるため、実質8VPのカードです。また、生産系のカードが一気に失われるため基本的にはゲーム最終盤で設置することになるでしょう。その代わり既存のリソースだけで設置できて別でダイスやパワーを要求しないため、このカードを設置したターンも追加の得点行動が取りやすいという特徴があります。
捨て札にするカードは前のターン以前に設置してある必要があるため、取ろうと思っても間に合わないといった状況にならないように注意。
5.5 大魔導図書館
魔導書4種類を1枚ずつ捨て札にすることで取得できる、レジェンドⅡに属するカードです。ほぼ上記のエッグベネディクトモールの魔導書版と考えて良いでしょう。但し、向こうが条件とするカードはどれも拡大に重要なカードでレジェンド抜きでも建てるのに対し、魔導書はどうしてもカードパワーが落ちるので意識して集めないと4種を揃えるのは不可能でしょう。
魔導書4種類は合わせて12魔力で建てられるので、12魔力9VPで設置ターンにリソースを消費しないと考えれば悪いカードではありません。
こちらも設置ターンより前に魔導書を揃えておく必要があるので注意しましょう。
5.6 ポレポレ鳥の秘境
手札からマーケットカードを14枚捨て札にすることで設置できる、レジェンドⅡに属するカードです。点数は10VPと大きいですが、初期の手札上限が6枚である事を考えると14枚確保するのはかなり難しい条件です。
倉庫を建てて上限を上げる、教会や闇市でマーケットを引きまくる、ダイスを使ってオープンマーケットからごっそり持ってくるなどの行動が必要になってきますが、結局のところその手間と釣り合わないということでこのレジェンドが設置されることは稀です。
ソフィーであれば毎ターンマーケットカードををキャラ効果で引ける上に手札にカードを溜め込んでもパワー転換効果のおかげで腐らないため、このレジェンドの取得も一考の余地があります。*5
5.7 無限鏡の大迷宮
サイコロ、サイコロパンで合わせて36以上の出目を使用する事で設置できる、レジェンドⅡに属するカードです。サイコロパンだけで賄うなら期待値からいくと10枚ちょっと必要ですが、実際にはそのターン振ったダイスやそれまでに集めておいた5や6のパンカードを使うことになるでしょう。リッチを使うのもある程度効果的です。
レジェンドⅡの中では建てやすい方に入りますが、サイコロを大量に使うので設置ターンは他の行動を起こしにくくなるというのがネックです。
5.8 黄昏の麦隴(ばくろう)
倉庫、オーブン、任意の目のサイコロパン8枚を使って設置できる、レジェンドⅡに属するカードです。倉庫とオーブンが無くなるので実質の点数は10VPとなります。サイコロパン8枚もそうですが、意外とオーブンと倉庫を事前に用意できるかがポイントになったりします。
また、中身はともかくサイコロパンを1ターンに何枚引けるかは収穫祭さえなければ見える情報だけで分かるので、他人と取り合いの時はパンが8枚になるタイミングがいつかを見極めると良いでしょう。
6.ゲーム中の立ち回り
ここまではカード毎に特徴を紹介してきましたが、この章では実際にゲームの中でどのように立ち回っていくべきなのかを考えます。あくまで筆者の意見なので必ずしも正解というわけではありませんが、参考にしていただければと思います。
6.1 2パターンのゲーム展開
まじかるキングダムは毎回ゲームで使われるカードが変化するので、同じ展開というのは基本的にありません。しかし、ゲーム展開は大きく2つのパターンに分けられます。筆者は「先行逃げ切り型」「みんなでよーいドン型」と呼んでいます。
2つに分かれる原因は、まじかるキングダムの「20点に到達した人から1周し最後に点数が最も高かった人の勝利」というルールにあります。
「先行逃げ切り型」
誰かがとにかく早く点数を集め、他人が体勢を整える前に20点獲得し逃げ切るパターンです。先行寄りのキャラが狙うこともありますが、どちらかと言うとたまたま運良く序盤に強力な動きをした人がそのまま突っ走っていくという半ば事故のような試合で発生することが多い印象です。特に誰かがぶん回っている時は気づけばどうしようもない時も多く、試合も5〜6ターンで早めに終わるのが特徴です。
有利を握った側は下手に試合を引き延ばして相手に追いつかれるよりも、とっとと試合を畳む意識をするのが良いでしょう。追う側は相手の事故を祈りつつできることをするしかありません。大体の場合、10VPあたりで5VP以上の差がつくとひっくり返すのが厳しいです。
「みんなでよーいドン型」
20点に到達した後の最後の1周で捲られるのを防ぐために、19VPでわざと止めて最後のターンに大量得点を狙うパターンです。全員が同じように点数を重ねたゲームで起こりやすく、全員が19VPからのスタートになりやすいためこのように呼んでいます。
このパターンではいかに1ターンで点数を稼げるようにするかという部分が焦点になります。十分なパワーを用意するのはもちろん、サイコロパンやマーケットカードなども出来るだけ揃えるのが望ましいです。
レジェンドを取得するかも考えるべきポイントです。理想はエッグベネディクトモールや大魔導図書館といった手札やダイスを消費しないレジェンドですが、他のレジェンドも得点効率は高いので積極的に狙うべきです。
ただ、時には女王像や脱法パン屋などの特殊勝利点を並べる方が点数が高くなることもあります。自分の盤面をよく見て一番点数が高くなるように動きましょう。
6.2 序盤(1T~3T)
最初にキープしたスタンダードカードを中心に展開して、アドバンスカード設置へとつなげます。早いうちに強力なカードが設置できそうなら、多少無理をしてでも設置しておくとその後が有利になりやすいです。
この段階でレジェンドを取ることはほぼありませんが、まずどれを狙うかは意識してそれの取得に向けて動くことが大事です。
6.3 中盤(4T~6T)
点数が10VPを越えはじめ、生産の基盤も整ってくる頃合いです。誰かがぶっちぎってるような試合だとこのフェーズで早々に終わってしまうことも。もし全員が拮抗しているようであればよーいどんの準備を始めましょう。
20VPを越えない程度にレジェンドⅠにタッチするのも視野に入れるべきでしょう。基本的にこのゲームは先にレジェンドにタッチしたほうが強いです。
6.4 終盤(7T~ゲーム終了)
ここまでゲームが進むといよいよ20VPが秒読みです。ここまでくると全員点数が20に近くなっているので大抵はよーいどんに近い形になります。実はよーいどんにも度合いがあって、先行する人が18VPくらいからレジェンド込みで10VP前後取って最終ラウンドに入るという試合から、にらみ合いになって最終的に19VPから40VP近くまで一気に取るような試合になることもあります。
終盤はとにかく全員の点数に気を配り、いつゲームが終わるかに注意しましょう。建てるつもりのカードが間に合わなかったなんてことはよくあります。
7.まとめ
まじかるキングダムはプレイ毎に違うキャラクター、違うカードセットで遊べるのが魅力のゲームです。そこに大まかなセオリーはあれど、絶対の勝利法はありません。
ここまでは私の今までの対戦経験をもとに解説してきましたが、私の知らない戦術や過少・過大評価しているカードなどは多々あると思います。ここにあることは参考にしてもらう程度がちょうどいいです。逆にこんな戦い方あるよとかあったら是非教えてください。
8.あとがき
この記事を書こうと思い立ったのは実は1年ほど前。着手したのは半年くらい前。そこから途中でいろいろあってついに書き上げることにしました。書いてるうちにまとまりがなくなってきて、なんだか申し訳ないような。
色々書きましたが、あくまで私が自身の今までの経験から書いているだけの物なのでもしかしたら他の卓では全然違う試合とかがあると思います。うちでは通用するけどよそでは使われない戦術とか。ふーんくらいに留めておいてください。反論も大歓迎です。また何か気づいたりしたら追記しようと思います。
拡張はまた別で記事を用意しようと思います。基本的な戦略はここで書いたしカード紹介だけならもうちょっと楽かなとか思ったり。
素晴らしいゲームを作ってくださったMAGI様にはこの場を借りてお礼申し上げます。去年の秋に記事書くとか言っておきながら1年もたってしまいすみません。新作も楽しみにしております。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。